ケーススタディ
業界: Oil & Gas, LNG
お客さまの課題
脱炭素社会に向けさらに存在感を増していくLNG
LNG(液化天然ガス)は、今後数十年の間にCO₂排出量を削減する重要な役割を果たすと期待されています。天然ガスは石炭に比べてCO₂の排出量が大幅に少ないため、燃料を石炭から天然ガスに切り替えることが解決策となります。この切り替えは発電で始まっています。
LNG生産チェーン全体のCO₂排出量は多い
LNGプラントは1960年代から1970年代にかけて世界各地に次々と建設されました。その多く、特に大規模プラント(1MTPA以上)は、液化プロセスの冷凍コンプレッサにガスタービンを使用しています。
LNGはより持続可能なエネルギーではあるものの、燃料ガスの燃焼による排出、フレアやベントによる排出、逃走性排出、プラントのアップセットなどに伴う排出を引き起こす可能性があり、LNG生産チェーンには多くの温室効果ガス排出源が存在しています。
ソリューション
ソリューションのキーポイント
- H-100ガスタービンの排熱で蒸気タービンやコンプレッサを駆動し、熱効率を向上
- モーター駆動の液化施設の電源として利用することで、CO₂排出量を削減
- 2軸ガスタービンがCO₂排出量低減と柔軟な運転を実現
H-100ガスタービンの排熱で蒸気タービンやコンプレッサを駆動し、熱効率を向上
大規模なLNGプラントでは、冷凍用ガスコンプレッサの駆動にガスタービンが使用されています。発電所でガスタービンの排熱を利用して発電するコンバインドサイクルを、LNGプラントの液化用コンプレッサにも利用することができます。液化トレインで排熱を再利用するハイブリッド・コンバインドサイクルを導入することで、H-100ガスタービンの出力の約50%を回収することが可能です。LNGプラント全体の熱効率向上によりCO₂削減に貢献します。
下の図は、ハイブリッド・コンバインドサイクルによる廃熱の回収・再利用が、LNGコンプレックス全体の熱効率を大幅に向上させる一例を示しています。

モーター駆動の液化施設の電源として利用することで、CO₂排出量を削減
従来のコンバインドサイクルプラントは、モーター駆動の液化施設の電源として使用することができます。H-100ガスタービンは、高効率で優れた熱効率を持つコンバインドサイクルに最適なガスタービンです。プラント全体の効率は50%を超えており、発電によってCO₂排出を最小限に抑えることができます。

2軸ガスタービンがCO₂排出量低減と柔軟な運転を実現
1軸ガスタービンでは再起動時にフレアが発生しますが、2軸ガスタービンではフレアを発生させずに起動するため、CO₂排出量の削減に効果があります。また、オプションのセトルアウト圧力スタートにより、運転停止の可能性が低くなり、迅速な再起動も可能です。
H-100ガスタービンは二重軸構造です。幅広い運転速度に対応でき、需要やプロセスの変化にも容易に対応できます。

期待される成果
パワーブロックと液化プラントの両方に排熱を再利用するコンバインドシステムを導入することで、H-100ガスタービンの出力の約50%を回収することができます。エネルギー効率を高めることでCO₂削減に貢献します。