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CCUSバリューチェーンの構築に不可欠な求められるCO₂輸送とは?

  • 2022-01-12
  • 2 min read

長距離・大量輸送を可能にするLCO₂輸送船への期待

地球温暖化は日本のみならず人類共通の課題です。主要排出国をはじめとする多くの国は、気候変動問題に関する国際的な枠組みを定めたパリ協定や、先般、英国・グラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)におけるさらに踏み込んだ合意を機に、CO₂排出量ネットゼロへの野心的な目標を掲げています。 この野心的な目標は、既存インフラの省エネやエネルギー効率の向上といったCO₂の排出量を低減する取り組みやCO₂フリーの代替燃料への転換だけでは達成できません。CO₂が大気中に排出、蓄積される前に分離・回収し、貯留あるいは資源として有効利用するCarbon Capture and Utilization (CCU)またはCarbon Capture and Storage(CCS)技術も重要になります。

 CO2低減・回収を推進し、2050年までにカーボンニュートラル社会を達成するイメージ図

現在、このCCUS技術の社会実装を視野にバリューチェーンの構築が進んでいます。2050年には世界で年間43-130億t以上のCO₂が回収されると予測されています。回収されたCO₂を貯留地や利用地まで輸送する主な手段としては、パイプラインと船舶輸送が考えられるものの、長距離輸送の場合は船舶の方が効率的かつ安価に輸送できます。

既存インフラを活かしたワンストップでのソリューション

CCUSの特徴の一つに、既存インフラを棄損することなく(座礁資産化することなく)、脱炭素化を実現できることがあります。 CCUSバリューチェーンの最適な形は、CO₂の排出量や排出源から貯留地、利用地までの距離といった地理的条件や国の方針などによって異なります。三菱重工グループは、既存インフラを活かすことで社会的コストの抑制に寄与しつつ 、 CO₂回収装置やコンプレッサ、液化LCO₂輸送船( LCO₂船)など、 CCUSバリューチェーンを構築するためのさまざまな条件に応じたソリューションをワンストップで提供することができます。

 CCUS バリューチェーン構築イメージ

特にCO₂輸送は、1857年から造船事業を開始した三菱重工グループにとって、これまでに培った知見を大いに発揮できる領域です。LNG輸送船、LPG輸送船といった液化ガス輸送船の豊富な設計・建造実績と高い技術力、輸送技術、船舶や他の分野における低温度液化ガスハンドリング技術などをLCO₂輸送船に採用することで、CO₂の安全な輸送技術を提供することができます。

LNG輸送船(サヤリンゴSTaGE)

三菱造船が開発したLNG船「サヤリンゴSTaGE」

経験と技術を基にしたLCO₂輸送船の広がる可能性

三菱重工グループでは、複数の液化ガス貨物を積載できるマルチガスキャリアに関する技術開発も視野に入れて取り組んでいます。また、CO₂を輸送する船舶自体から排出されるCO₂も削減していく必要があることから、その手段の一つとして船上CO₂回収、アンモニア等を主燃料とする際のアンモニアハンドリング技術などのゼロエミッション技術も開発しています。 三菱重工グループは、多様化するマーケットニーズを見極め、これまで培ってきたガス船の建造実績とハンドリング技術を基に、お客さまに求められるソリューションを提供し続けていきます。