事業領域

CCUS

三菱重工グループは、21世紀のできるだけ早い時期のカーボンニュートラル社会実現に貢献するため、CO₂の回収・利用技術の推進やCO₂バリューチェーンの構築、そして環境に配慮したCO₂エコシステムの構築を進めていきます。

回収から転換利用までを網羅するCO₂エコシステムを実現する

COP21におけるパリ協定の採択により、2050年までに世界の年間CO₂排出量を現在の400億tと比べて80%以上削減することが求められこととなりました。この野心的な目標達成のためには、既存インフラの省エネやエネルギー効率の向上、エネルギー源の代替や再エネルギー導入などCO₂の排出量を削減する取り組みに加え、排出したCO₂を解決するCCUSバリューチェーンの構築が必要となります。 三菱重工グループは、カーボンニュートラル社会の道筋を描いた「Breeze CONCEPT」のもとに、CO₂の回収、輸送、利用、貯留といったCO₂バリューチェーン全体の最適化を視野に入れ、CO₂を効率的かつ安定的に削減するための最適なソリューション提供と費用対効果の最大化に貢献していきます。

三菱重工グループが考えるカーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みのうち、 「CO₂エコシステムの実現」を強調したイメージ
 三菱重工グループが考えるカーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みのうち、 「CO₂エコシステムの実現」を強調したイメージ

「CO₂NTAIN」「CO₂NNECT」「CO₂NVERT」のアプローチによるソリューション

三菱重工グループは、CCUS(CO₂の回収、輸送、利用、貯留)などのCO₂バリューチェーンを、「CO₂NTAIN(とる)」「CO₂NNECT(つなぐ)」「CO₂NVERT(つかう)」の枠組みで整理し、それぞれの分野でカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。三菱重工グループはまた、これら3つの分野でのカーボンニュートラル実現に向けて、あらゆる解決策を追い求め推進し、未来の子供たちへ優しいそよ風を残すという意味を込めた「Breeze CONCEPT」を掲げています。

三菱重工グループが考えるCCUSバリューチェーン全体のイメージ
 三菱重工グループが考えるCCUSバリューチェーン全体のイメージ

CCUSバリューチェーンを構成する「CO₂NTAIN」「CO₂NNECT」「CO₂NVERT」

CO₂NTAIN

CO₂NTAIN(とる)では、すでに全世界で13基の商用機納入実績があり、CO₂回収プラントなど、確かな実績と信頼性を誇る技術を提供・発展させていきます。 関西電力と共同開発したCO₂回収技術「KM CDR Process™」は、CO₂の大幅な排出量削減に貢献しており、Petra Nova* など世界のプロジェクトで稼働しています。また、発電所だけではなく、廃棄物焼却施設や製鉄・セメントプラントなど、あらゆる排出源からのCO₂回収にも対応します。 *アメリカのテキサス州にある、4,776トン/日の処理能力を持つ世界最大の燃焼後回収プラント

CCUSバリューチェーンの中で、排出されたCO₂が回収されるイメージ
CCUSバリューチェーンの中で、排出されたCO₂が回収されるイメージ
セメント産業や鉄鋼業、輸送業など、CO₂の回収源の多様化を表したイメージ
セメント産業や鉄鋼業、輸送業など、CO₂の回収源の多様化を表したイメージ

CO₂NNECT

CO₂NNECT(つなぐ)では、CO₂関連事業をフィジカルとデジタル両方の側面からつないでいきます。 三菱重工グループは、長年にわたる船舶建造と海運分野での技術開発で培った技術とノウハウを生かしたCO₂の大型輸送船により、フィジカルにサプライチェーンをつないでいます。 加えて、CO₂流通を可視化・最適化するデジタルプラットフォーム「CO₂NNEX™」を通じて、サイバー空間上におけるCCUSバリューチェーンの構築に挑戦しています。

CCUSバリューチェーンの中で、回収したCO₂が輸送され、貯蔵されるイメージ
CCUSバリューチェーンの中で、回収したCO₂が輸送され、貯蔵されるイメージ

CO₂NVERT

CO₂NVERT(つかう)では、 CO₂に価値を与え、 CO₂の再利用やリサイクルを活性化させていきます。 三菱重工グループでは、自社技術開発やスタートアップ企業への投資等を通じて、CO₂を他の価値ある商品に転換する技術開発に挑戦しています。これにより、CCU(CO₂有効利用)市場を活性化し、裾野を広げていく取り組みを進めています。

CCUSバリューチェーンの中で、回収されたCO₂が転換利用されるイメージ
CCUSバリューチェーンの中で、回収されたCO₂が転換利用されるイメージ
CO₂が新たな商品として価値を持ち、CCU市場が活性化しているイメージ
CO₂が新たな商品として価値を持ち、CCU市場が活性化しているイメージ

Breeze CONCEPT video

三菱重工グループが推進するCCUSソリューション展開

三菱重工グループでは、CO₂回収技術「KM CDR Process™」の実績を積み上げてきました。さらに、2023 年には産業セクター向けとなる汎用的な回収装置やLCO₂船など、CCUSに関連した製品ラインナップを拡充していきます。 また、CCUSバリューチェーンの構築のためには、回収したCO₂の輸送・貯蔵、転換利⽤に至るシステム等の開発も欠かせません。三菱重工グループではカーボンニュートラル社会の実現に向け、これまで積み重ねてきた幅広い製品やソリューションを生かしながら、今後も着実に「CO₂NTAIN」「CO₂NNECT」「CO₂NVERT」の領域で貢献していきます。

三菱重工グループが2030年に向けて推進するCCUSソリューションの展開イメージ
 三菱重工グループが2030年に向けて推進するCCUSソリューションの展開イメージ

CO₂事業開発へのグローバルな参画(2021年以降の動向)

世界最大量となる年間800万t以上のCO₂排出量の削減を目指す英国・Drax社との脱炭素化プロジェクトをはじめ、三菱重工グループは長年にわたって培ってきた研究開発によって排ガスからのCO₂排出量の最小化に取り組んでいます。 今後も、最先端の設備と専門知識を生かしたCO₂事業開発の技術実証に取り組むことにより、温室効果ガスの効果的削減という地球規模の課題解決に貢献していきます。

三菱重工グループのCO₂開発に向けた世界各国での取り組みを表したイメージ
 三菱重工グループのCO₂開発に向けた世界各国での取り組みを表したイメージ